東北新幹線は、北海道まで到達する列車や秋田方面、山形方面に分岐する列車があります。
しかし、列車の種類が多いがゆえにどれを利用すればいいのか分からない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、東北地方を走る列車種別ごとの特徴をまとめ、比較していきます。
特に同じ区間を併結して走る「はやぶさ」と「こまち」、「やまびこ」と「つばさ」どちらを利用すればいいかなども解説します!
東北方面の各新幹線の情報はこちらから!
- 北海道新幹線「はやぶさ」はどんな新幹線?
- 北海道新幹線「はやて」はどんな新幹線?
- 東北新幹線「やまびこ」はどんな新幹線?
- 東北新幹線「なすの」はどんな新幹線?
- 秋田新幹線「こまち」はどんな新幹線?
- 山形新幹線「つばさ」はどんな新幹線?
- 「はやぶさ」「はやて」「やまびこ」「なすの」「こまち」「つばさ」の違いをなんでも比較!
- 「はやぶさ」「はやて」「やまびこ」「なすの」「こまち」「つばさ」の料金は違う?
- 「はやぶさ」「はやて」「やまびこ」「なすの」「こまち」「つばさ」で使われている車両は?
- 「はやぶさ」「はやて」「やまびこ」「なすの」「こまち」「つばさ」の座席の割合は?
- 「はやぶさ」「はやて」「やまびこ」「なすの」「こまち」「つばさ」の座席配置は?
- 「はやぶさ」「はやて」「やまびこ」「なすの」「こまち」「つばさ」のグランクラス事情
- 「はやぶさ」「はやて」「やまびこ」「なすの」「こまち」「つばさ」に車内販売はある?
- 「はやぶさ」「はやて」「やまびこ」「なすの」「こまち」「つばさ」の喫煙事情
- 「はやぶさ」「はやて」「やまびこ」「なすの」「こまち」「つばさ」でコンセントを利用するなら?
- 東京〜盛岡間を「はやぶさ」か「こまち」で移動するならどっち?
- 東京〜福島間を「やまびこ」か「つばさ」で移動するならどっち?
- まとめ
- 関連記事
北海道新幹線「はやぶさ」はどんな新幹線?
北海道新幹線の新函館北斗へ到達する、最速達の列車です。
東京~盛岡間はこまちと併結して走ることがあります。
名前の由来は北海道へ飛来する「シロハヤブサ」で、はやぶさに使われるH5系のシンボルマークのモチーフにもなっています。
「はやぶさ」という名前はかつて東京と九州を結んでいた伝統的な寝台特急に用いられていました。
この名前を採用するにあたって「九州のイメージが強すぎる」「グランクラスの存在が、この伝統の名にふさわしい」と賛否両論が渦巻いたそうです。
この列車は全席指定席で、指定席特急券がなければ乗車することができません。
ただし、満席時のみ着席はできないもののデッキに立って乗車できる「立席特急券」が販売されることがあります。
また、盛岡~新函館北斗間のみ、空いている座席に座れる「特定特急券」が販売されています。
特定特急券については、こちらをご覧ください。
「はやぶさ」の停車駅
はやぶさは始発駅によって停車駅がかなり異なります。
()内の駅は列車によって停車か通過かが異なります。
東京〜新函館北斗を往復する列車(1日10往復)の停車駅
東京、(上野)、大宮、仙台、盛岡、(いわて沼宮内)、(二戸)、(八戸)、(七戸十和田)、新青森、(奥津軽いまべつ)、(木古内)、新函館北斗
東京〜新青森を往復する列車(1日8往復)の停車駅
東京、(上野)、大宮、仙台、(古川)、(一ノ関)、(北上)、盛岡、(いわて沼宮内)、(二戸)、八戸、(七戸十和田)、新青森
東京〜盛岡を往復する列車(1日6往復)の停車駅
東京、(上野)、大宮、仙台、(古川)、(くりこま高原)、(一ノ関)、(水沢江刺)、(北上)、(新花巻)、盛岡
※古川〜新花巻は、上り1本をのぞいたすべての列車が停車します。
東京〜仙台を往復する列車(1日3往復)の停車駅
東京、(上野)、大宮、仙台
仙台〜新函館北斗を往復する列車(1日1往復)の停車駅
仙台、古川、くりこま高原、一ノ関、水沢江刺、北上、新花巻、盛岡、いわて沼宮内、二戸、八戸、七戸十和田、新青森、新函館北斗
「はやぶさ」の所要時間
- 東京⇔仙台 約1時間半
- 東京⇔盛岡 約2時間20分
- 東京⇔新青森 約3時間半
- 東京⇔新函館北斗 約4時間半
北海道新幹線「はやて」はどんな新幹線?
北海道新幹線の区間を走る中で準速達の列車です。
現在は、はやぶさを補完する列車という位置付けになっています。
「はやて」とは急に激しく吹く風のことです。
農作物に被害をもたらす風や疫病の異名でもあるために、これまで採用されてこなかったと言われています。
公募でも10位にすら入っていませんでした。
しかし、当時は新青森駅延伸を視野に入れており、あえて斬新でスピード感のあるこの名前が採用されたそうです。
東京から新函館北斗を一貫して走る列車はなく、盛岡以北~新函館北斗間を走る列車と東北新幹線の区間のみを走る列車の2パターンが存在しています。
本数が非常に少なく、日中に見ることはほとんどありません。
車両ははやぶさと同じものが使われることが多いです。こちらも全席指定席で、盛岡⇔新函館北斗の区間で「特定特急券」が販売されています。また、満席であれば「立席特急券」が販売されることがあります。
「はやて」の停車駅
はやての停車駅ははやぶさとほぼ同じです。
ただし、東京から新函館北斗まで直通する列車はないため、予約前にご確認ください。
「はやて」の所要時間
- 東京⇔仙台 約1時間40分
- 東京⇔盛岡 約2時間半
- 東京⇔新青森 約3時間半
東北新幹線「やまびこ」はどんな新幹線?
東北新幹線の区間のみを走る、本数の多い列車です。
東京~福島間でつばさと併結して走ることがあります。
つばさを併結していない場合でも、複数の種類の車両を併結していることがあり、乗車する上で一番車両の設備に差があるタイプの種別です。
また、つばさを併結していない列車は停車駅が多くなる傾向があります。
やまびこは1982年の東北新幹線の開業時に、速達列車として運転が始まりました。
名前は東海道新幹線の「こだま」に対抗し、東北本線を走っていた特急列車の名前からとられたといわれています。
この列車は自由席が設けられているほか、乗車時間が長めなのでグランクラスに乗ってみたいという方にオススメな列車となっています。
「やまびこ」の停車駅
東京、(上野)、大宮、(小山)、(宇都宮)、(那須塩原)、(新白河)、(郡山)、福島、(白石蔵王)、仙台、古川、くりこま高原、一ノ関、水沢江刺、北上、新花巻、盛岡
()は停車するかどうかが異なる駅です。
「やまびこ」の所要時間
- 東京⇔郡山 約1時間20分
- 東京⇔福島 約1時間半
- 東京⇔仙台 約2時間
- 東京⇔盛岡 約3時間20分
東北新幹線「なすの」はどんな新幹線?
東京から郡山までのすべての駅に止まる、東北新幹線の中で最も遅い列車です。
一部の列車は那須塩原や小山止まりです。
1時間に1本程度の運行になります。
「なすの」は栃木県にある那須野が原から付けられた名前です。
少し分かりづらいですが、史上初の音読みを含む新幹線の列車名なのだそう。
運転区間が短い種別であるため、グランクラスの営業がある列車でも専任アテンダントによる車内サービスは受けられません。
その代わりに、他の種別のグランクラスと比べると割安になります。
使われる車両は種類が多く、普通車の座席配置が2・2列になることもあります。
こちらも自由席の割合変更が多いので、ご注意ください。
「なすの」の停車駅
東京〜郡山間の各駅
「なすの」の所要時間
- 東京⇔郡山 約2時間
秋田新幹線「こまち」はどんな新幹線?
東京から秋田を結ぶ秋田新幹線の種別です。
東京~盛岡間ははやぶさと併結されることが多く、1時間に2本程度運行されています。
名前は秋田出身の絶世の美女である「小野小町」からとられています。
秋田といえば美女が多いと言われているため、まさに秋田のイメージにぴったりですね。
はやぶさと同じく全席指定席で、「特定特急券」や「立席特急券」も販売されています。
「こまち」の停車駅
東京、(上野)、大宮、仙台、(古川)、(くりこま高原)、(一ノ関)、(水沢江刺)、(北上)、(新花巻)、盛岡、(雫石)、(田沢湖)、(角館)、大曲、秋田
()の駅は停車・通過が異なる駅です。
「こまち」の所要時間
- 東京⇔秋田 約4時間
山形新幹線「つばさ」はどんな新幹線?
東京から山形、新庄を結ぶ山形新幹線の種別です。
東京~福島間はやまびこと併結されることが多く、1時間に1本ほどのペースで運行されています。
「つばさ」は鳥の翼からきています。
奥羽本線沿線の発展を祈ってつけられたといわれています。
もともとは東京と山形・秋田を結ぶ特急列車に用いられていた名前ですが、1992年の山形新幹線の開業で新幹線に引き継がれました。
山形新幹線の区間(福島〜新庄)のみを走る、「とれいゆつばさ」という観光列車もあります。
「つばさ」の停車駅
東京、(上野)、大宮、(宇都宮)、(郡山)、福島、米沢、(高畠)、(赤湯)、(かみのやま温泉)、山形、天童、さくらんぼ東根、村山、大石田、新庄
()は停車するかどうかが異なる駅です。
「つばさ」の所要時間
- 東京⇔山形 約2時間45分
「はやぶさ」「はやて」「やまびこ」「なすの」「こまち」「つばさ」の違いをなんでも比較!
ここからは、東北方面を走る「はやぶさ」「はやて」「やまびこ」「なすの」「こまち」「つばさ」の様々な情報を比較していきます。
停車駅や所要時間はこの記事の各列車の項目にて記載しています。
気になる方はご確認ください。
「はやぶさ」「はやて」「やまびこ」「なすの」「こまち」「つばさ」の料金は違う?
「はやぶさ」「こまち」の指定席は、他の列車種別の指定席料金よりも割高になります。
その他の列車種別に差はありませんが、グランクラスのサービスの内容によってはグランクラス料金に差が出てきます。
「はやぶさ」「はやて」「やまびこ」「なすの」「こまち」「つばさ」で使われている車両は?
使用車両 | |
はやぶさ | E5/H5系、一部E6系 |
はやて | E5系、一部E2系 |
やまびこ | E2系、一部E5、E3、E6系 |
なすの | E2系、一部E5、E3、E6系、 |
こまち | E6系 |
つばさ | E3系 |
北海道・東北・秋田、山形新幹線では、複数の種別で使われる車両がほとんどです。
基本的にE5/H5系は「はやぶさ」「はやて」、E6系は「こまち」、E3系は「つばさ」、E2系は「やまびこ」「なすの」で運用されることが多いです。
また、複数の種類の車両を併結して走ることも多く、自由席、指定席、グリーン席、グランクラスの割合が変わることがあります。
以降は、車両によって異なる項目は車両で分けて比較していきます。
「はやぶさ」「はやて」「やまびこ」「なすの」「こまち」「つばさ」の座席の割合は?
複数の編成を併結して走ることがある東北新幹線では、列車によって座席の割合が変わります。
特に「やまびこ」や「なすの」は複数の種類の車両を併結して走ることが多く、自由席の割合やグランクラスの有無が変わりやすいです。
そのため、この項目では省略しています。
普通車自由席 | 普通車指定席 | グリーン指定席 | グランクラス | |
はやぶさ | なし | 8 | 1 | 1 |
はやて | なし | 8 | 1 | 1 |
こまち | なし | 6 | 1 | なし |
つばさ | 2 | 4 | 1 | なし |
「はやぶさ」「はやて」「やまびこ」「なすの」「こまち」「つばさ」の座席配置は?
在来線を走る「つばさ」「こまち」用に開発されたE6系、E3系は、車体幅が狭く座席数もそれに合わせて少なくなっています。
普通車 | グリーン指定席 | グランクラス | |
E5/H5系 | 2・3列 | 2・2列 | 2・1列 |
E2系 | 2・3列 | 2・2列 | なし |
E6系 | 2・2列 | 2・2列 | なし |
E3系 | 2・2列 | 2・2列 | なし |
「はやぶさ」「はやて」「やまびこ」「なすの」「こまち」「つばさ」のグランクラス事情
グランクラスは、原則E5/H5系の車両が編成されている列車のみで提供されているサービスです。
そのため、E5/H5系が編成されていない可能性がある「はやて」「やまびこ」「なすの」ではグランクラスがないことがあるため、予約の際にはご確認ください。
「こまち」「つばさ」にはグランクラスそのものがありません。
使用車両 | |
はやぶさ | アテンダントによる軽食サービスあり 早朝、夜間の一部はアメニティのみ |
はやて | アテンダントによる軽食サービスあり 早朝、夜間の一部はアメニティのみ |
やまびこ | アメニティのみの場合と 軽食サービスがつく場合がある |
なすの | アメニティのみ |
こまち | なし |
つばさ | なし |
「はやぶさ」「はやて」「やまびこ」「なすの」「こまち」「つばさ」に車内販売はある?
2019年3月に、東北新幹線の一部区間で車内販売の取りやめと見直しを行うという発表がありました。
その結果、車内販売を行っている種別でもアルコールを含む飲料、菓子やつまみ類以外の販売がなくなってしまいました。
お土産や駅弁を買いたい場合は車内で買うことができないため、買ってから乗車するようにしましょう。
車内販売があるのは大宮~山形間の「つばさ」、東京〜新青森間の「はやぶさ」「はやて」、東京〜盛岡間の「こまち」になります。
これらの区間外であったり、「やまびこ」「なすの」では車内販売はありません。
「はやぶさ」「はやて」「やまびこ」「なすの」「こまち」「つばさ」の喫煙事情
残念ながら、東北新幹線では全ての列車でタバコを吸うことはできません。
また、電気加熱式タバコ、電子タバコについても使用できないため、ご注意ください。
「はやぶさ」「はやて」「やまびこ」「なすの」「こまち」「つばさ」でコンセントを利用するなら?
コンセント | |
H5系 | 全席に設置 |
E5系 | グリーン車の全席 普通車の窓側、最前列、最後列に設置 |
E2系 | グリーン車の全席 普通車の窓側、最前列、最後列に設置 古いタイプは全席未設置 |
E6系 | グリーン車の全席 普通車の窓側、最前列、最後列に設置 |
E3系 | グリーン車の全席 普通車の窓側、最前列、最後列に設置 古いタイプは全席未設置 |
東京〜盛岡間を「はやぶさ」か「こまち」で移動するならどっち?
はやぶさとこまちは東京〜盛岡間で併結されており、この区間内であればどちらの指定席も取ることができます。
そのため、どちらを取る方がよりお得に、快適に移動できるのか知りたい人も多いのではないでしょうか。
はやぶさ | こまち | |
---|---|---|
料金 | 同じ | |
指定席の座席配置 | 2・3列 | 2・2列 |
車体の幅 | 普通 | 在来線基準であるため 少し小さい |
コンセント | 窓際は確実に設置 全席設置の可能性も |
窓側は確実に設置 |
WiFi | 未対応の列車もある | 全列車で対応 |
連結・切り離し作業 | 盛岡で乗車・下車するなら見れる |
体感の広さはほとんど変わらないかもしれませんが、確実に2・2列の列車で移動したい、もしくはWiFiを確実に使いたいのであれば、こまちを選ぶのもアリです。
逆に、はやぶさは全ての座席でコンセントが使える可能性があるので、複数人で移動する際にはアリかもしれません。
急ぎではない、かつコンセントやWiFiの付いていない車両でも構わない場合は、やまびこも選択肢に上がります。
なお、盛岡以北に乗車しないという前提なので、盛岡で下車するなら乗ってきた列車の切り離し作業を見ることができます。
盛岡で乗車する場合ははやぶさが到着する前にホームにいれば、これから乗る列車の連結作業も見れますよ!
東京〜福島間を「やまびこ」か「つばさ」で移動するならどっち?
やまびことつばさは東京〜福島間を併結して走っています。
どちらの種別がより快適でお得か、ということですが、つばさの方が全体的に見ると快適ではないかと思われます。
まず、つばさで使われるE3系では、WiFiの設置がほぼ終わっており、WiFiを利用したいならつばさを選ぶことでほぼ確実に利用することができます。
やまびこで使われることが多いE2系はWiFiに対応しておらず、使える可能性は低めです。
WiFiに対応しており、コンセントの設置数が多いタイプのやまびこが来ることもありますが、つばさでもコンセントが窓側に設置されている車両が来ることが多く、何より普通車でも座席配置が2・2列であるため、つばさの方が快適だといえます。
ただし、つばさはこまちと同じく在来線基準の車体幅であるため、新幹線基準の2・2列の車両に比べると少し窮屈に感じるかもしれません。
なお、福島以北に乗車しないという前提なので、福島で下車するなら乗ってきた列車の切り離し作業を見ることができます。
福島で乗車する場合はやまびこが到着する前にホームにいれば、これから乗る列車の連結作業も見れますよ!
まとめ
様々な情報を比較してきましたが、いかがだったでしょうか。
列車の種類が多すぎてよくわからなかった方も多いのではないでしょうか……
最後に、もう一度整理してみます。
- 東京から新函館北斗までを一貫して乗りたいなら「はやぶさ」
- 東京から福島〜盛岡の各駅の間を安く移動するなら「やまびこ」
- 東京から仙台、盛岡を速く移動、または秋田方面に向かうなら「こまち」
- 東京から福島を速く移動、または山形方面に向かうなら「つばさ」
- 東京から郡山の各駅を移動するなら「なすの」
これが一番速く、快適に移動できると思います。
東北新幹線の停車駅は列車によって変わることが多いため、乗車前によく確認してくださいね!